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著者:伊吹太歩 Business Media 誠 2014年06月12日 08時00分 URLリンク(bizmakoto.jp)
最近、日本のとあるニュースが世界的に大きく報じられ、そんなことを再確認させられた。
日本の“児童ポルノ”だ。英語圏の国々のWeb系ニュースサイトで取り上げられ、話題になっていた。
皆さんは、6月5日に衆議院で「児童買春・ポルノ禁止法」改正案が可決したことをご存じだろうか。
児童ポルノについては、販売や制作はすでに禁止されているが、これからは個人が写真や映像を“単純所持”することも禁止になる。
だが、アニメやマンガ、そしてCGは児童ポルノ禁止法の規制対象外となった。これは、6月22日まで行われる今期の国会で成立する
可能性がある。
このニュースが海外で反響を呼んでいるのだ。日本のメディアではそこまで大きく取り上げられなくても、
欧米で大きなニュースになるパターンは意外に多い。そして、そうしたニュースこそが、日本のイメージを世界に植えつけているという
事実を忘れてはいけない。
今回の児童ポルノ禁止法に関する反応はどうか。欧米メディアの論調はおおむね、
児童ポルノにゆるい「児童ポルノ大国」の日本も“Finally(ついに)”重い腰を上げたか、というものが大半だった。
フランスのAFP通信は「日本が今日、児童ポルノ所持の禁止に近づいた。
日本はまだ禁止をしていない先進国で最後の主要国だ」と報じた。英ガーディアン紙は
「この法案が提出された背景には、日本に対し、ほかの先進国と共同歩調を取るべきだとする
国際的なプレッシャーがあった。日本は強姦や子供に対する性犯罪のビデオや写真、
その他の画像の所持が合法であるG7(先進7カ国)で唯一の国だ」と伝えている。
さらには、世界中にある児童ポルノの映像などのうち、約8割は日本が発信していると書く記事もあった。
要するに、日本はこの分野で先進国の役割を果たしていないという見方が強いことが分かる。
★“対象外”となったアニメやマンガに批判が集まる
児童ポルノ(というよりアニメなどを含む子供の性的描写)の規制が取りざたされると、
日本では「表現の自由が侵される」という議論が必ずと言っていいほど出る。ただ皮肉なことに、
日本は世界的にみても「表現の自由」が広く認められている国だとは認識されていない。
国境なき記者団のランキングでは、日本は世界で59位に位置している。
にもかかわらず「特に児童ポルノではやたら『表現の自由』を振りかざしている」
といったイメージが独り歩きしても仕方がないのかもしれない。
日本で規制が遅れた理由は、この「表現の自由」という問題だった。それでも規制強化に踏み出したい
国会は、「表現の自由」を勘案し、今回の法案ではアニメやマンガなどは児童ポルノ規制の対象外にしたのだ。
だが、この配慮に対して海外の報道は厳しい。前出のAFP通信による配信記事も
「日本で大人気のアニメやマンガで描写される小児性愛は(その規制から)排除された」と報じている。
外国人にとって、この“対象外”となったアニメやマンガが小児性愛の温床であるとの見方は引き続き続くことになる。
(中略)
★世界が納得できる児童ポルノの法整備を
ちなみに米国は当然のことながら、児童ポルノを日本以上に厳しく規制しており、世界でもっとも児童ポルノに厳しい先進国の1つと
言われる。
(中略)
児童ポルノに対しては、どちらかといえば、表現云々よりも児童の権利搾取という考えが先に立つ。
ただ日本に暮らしながら、日本について海外でどのように伝えられているのかを見ていくと、このように肌感覚の違いを実感することは
多い。どちらかが正しく、どちらかが間違っているという問題ではない。
どう見られているのかを知ることで、自分たちを客観視するきっかけになるということだ。以下略