14/06/10 14:13:44.61 0
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)
6月10日(ブルームバーグ):日本は2020年の東京五輪を境に経常赤字国に転落し、世界最大の対外純資産国の地位も中国に奪われる可能性がある--。
ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査で、こうした見方が示された。
貯蓄減少に伴い、膨らむ公的債務を国内の資金で消化できなくなることが背景にある。
5月にまとめたエコノミスト16人を対象にしたブルームバーグの調査によると、10人は10年以内に日本が常態的な経常赤字国に転じると予想。
そのうち9人は20年までの経常赤字化を予想した。日本は1991年に世界最大の対外純資産国となり、13年末時点で325兆円の対外純資産を抱える。
2位は中国で208兆円。
高齢化などを理由に国内の貯蓄率は低下傾向に転じており、日本は公的債務を賄うために海外資金への依存度を強めている。
経常赤字に転じた場合、長期金利に上昇圧力が強まり投資家が日本に対する評価を見直す結果、世界最大の対外純資産国の地位も中国に受け渡す可能性が
出てくる。
SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストはこれまでのトレンドが続けば、「対外純資産の規模で中国は早ければ20年あたりに日本を追い抜く
可能性がある」と指摘。米国のように経常赤字を埋めるための資金を海外から調達できるかどうかが重要で、「できなければ日本は自国の対外資産を
取り崩さなければならず、国力を失うことを意味する」と話す。
★双子の赤字
日本は、石油価格の高騰で7四半期赤字に陥った79年と80年を除き73年以降は経常黒字を維持した。
13年度の経常黒字は7899億円と85年以降で最少となった。円安で稼働を停止している原発の代替燃料の輸入額が膨らんだ。
財政制度等審議会は5月末に麻生太郎財務相に提出した報告書で「最近の貿易赤字により、経常収支が赤字となれば双子の赤字になる」とした上で、
「国債市場や国債保有における海外投資家の割合が高まり、その投資動向が市場に大きな影響を及ぼす」と指摘。
現在、8%(13年末)にとどまっている海外投資家の国債保有額が増加した場合の金利上昇に警戒感を示した。
さらに同報告書では「20年度のプライマリーバランスの黒字化の先送りは許されない」と明記した。
財務省の試算によると、20年度までに政府の赤字は935兆円と、国内総生産(GDP)の169%に達する見通し。14年度は769兆円が見込まれている。
12年の貯蓄率は1.1%と94年の9.7%から低下した。バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストは戦後のベビーブーム世代の引退が増えるため、
貯蓄率の低下は今後も進むと予想。国立人口社会保障研究所によると、日本の人口は12年の1億2700万人から20年には1億2400万人に減少する見込み。
一橋大大学商学研究科の小川英治副学長は、政府の債務が増え経常赤字になり家計貯蓄も減少するのは「悪い」資金不足を招き、金利が上昇すると述べた。
小川氏は政府が消費税を20%に上げたり、社会保障支出の大胆な改革に取り組まない限り、このシナリオを実現する可能性は非常に高いとみている。
金利が上昇すれば、設備投資が圧迫され生産施設の海外移転が進み失業者数の増加を招くという。
SMBC日興証券のシニアエコノミスト、宮前耕也氏は経常赤字が必ずしも経済に打撃を与えることはないとみ・・・以下略
★記事に関する記者への問い合わせ先
東京 岩本正明 「miwamoto4@bloomberg.net」
東京 下土井京子 「kshimodoi@bloomberg.net」