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安倍政権が「非正規向け資格」創設へ…喜ぶのはブラック企業
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安倍政権が新成長戦略に非正規雇用を対象にした新たな「資格制度」
を盛り込もうとしていることが分かった。具体的には厚労省の委託を受けた業界団体が
非正規の「働きぶり」を評価し、上級、中級、初級の3段階の資格を与えるというもの。
「上級」の評価を得た派遣社員は、正社員への登用や転職に有利になる―というシロモノらしい。
すでに日本百貨店協会(流通)、日本生産技能労務協会(派遣)など
サービス業4団体が政府方針に前向きな姿勢を示し、早ければ16年度にもスタートする。
しかし、この新資格制度、非正規にとって百害あって一利なしとなりかねない。
神奈川労働基準局管内で労働基準監督署長を務めた社会保険労務士の村木宏吉氏がこう言う。
「資格試験が実際にどのように実施されるのか分かりませんが、
真っ先に危惧されるのは非正規労働者の労働環境のブラック化です。
接客などの“サービス”は店舗の立地、働く人の数に大きく左右される。
善しあしを第三者が客観的に評価するのは極めて困難だし、適しません。にもかかわらず、
非正規労働者が“働きぶり”で高評価を得ようとすれば、必然的にサービス残業を増やしたり、
経営側の無理な要求にも従わざるを得なくなると考えるのが自然です。
しかも、『上級』の資格を取ったからといって、正社員になれる保証はまったくない。
非正規雇用の間で序列と格差を生むだけの結果になると思います」
「上級」の資格を得ようと、非正規同士が競い合うように必死に働くようになれば、
ブラック企業側や人材派遣会社は笑いが止まらないだろう。
新資格制度は公務員にとっても恩恵がたっぷりある。
「私も厚労省で長年働いたからよーく分かりますが、
厚労省が狙っているのは新たな天下り先の確保でしょう。
新しい資格制度を次々につくれば許認可する公益法人や出先機関をつくる大義名分が生まれる。
『非正規雇用のため』と言いながら、自分たちの利権のためにやろうとしている政策にしか思えません」(村木宏吉氏)
大体、「雇用の流動化」などと言い、派遣労働の拡大を目指しているのが安倍政権だ。
あたかも「派遣救済」みたいな正義漢ぶるのは、許されない話だ。
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