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>>619
和田俊
「粛正の危険は薄い? カンボジア解放側 アジア的優しさもつ」
朝日新聞1975年4月19日夕刊2面
「カンボジア解放勢力のプノンペン解放は、武力解放の割には流血の跡がほとんど見られなかった。入場する解放軍兵士と
ロン・ノル政府軍兵士は手をとりあって抱擁。政府権力の委譲も、平穏のうちに行われたようだ。しかも、解放勢力の指導者が
プノンペンの〃裏切り者〃たちに対し、「身の安全のために、早く逃げろ」と繰り返し忠告した。これを裏返せば「君たちが残っ
ていると、我々は逮捕、ひいては処刑も考慮しなければならない。それよりも目の前から消えてくれたほうがいい」という意味
であり、敵を遇するうえで、極めてアジア的な優しさにあふれているように見える。解放勢力指導者のこうした態度とカンボジ
ア人が天性持っている楽天性を考えると、新生カンボジアは、いわば「明るい社会主義国」として、人々の期待に応えるかも
しれない。」
「カンボジア王国民族連合政府は自力で解放を達成した数少ない国の一つとなった。民族運動戦線(赤いクメール)を中心
とする指導者たちは、徐々に社会主義の道を歩むであろう。しかし、カンボジア人の融通自在の行動様式から見て、革命の
後につきものの陰険な粛清は起こらないのではあるまいか。」