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二〇〇五年に栃木県今市市（現日光市）の小学一年吉田有希ちゃん＝当時（７つ）＝が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された
勝又拓哉容疑者（３２）が「（有希ちゃんに）騒がれたから殺した」と供述していることが四日、捜査関係者への取材で分かった。
勝又容疑者は「有希ちゃんを拉致した後、当時の自宅（栃木県鹿沼市）に連れ帰り、茨城県の遺棄現場までの途中の山で刺した」
と供述している。有希ちゃんは十数カ所を刺されて失血死しており栃木、茨城両県警の合同捜査本部は、殺害に至る動機を慎重に
調べる。
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また、有希ちゃんが行方不明となった場所と時間帯に後部に傷のある不審な車が目撃され、勝又容疑者が同じ部分に傷のある車を
当時使っていたことも、捜査関係者への取材で分かった。合同捜査本部は、この車が犯行に使われたとみて捜査している。
有希ちゃんは〇五年十二月一日午後二時五十分ごろ、下校途中に行方不明となった。捜査関係者によると、この時間帯に現場で
目撃された不審車両のうち一台は、後部が大きくへこんだ白色セダンだった。捜査本部の調べで、勝又容疑者が当時、同じ部分に
へこみがある白色セダンに乗っていたことが判明した。
勝又容疑者はこのセダンを、事件から数カ月後に廃車処分にしたという。
捜査本部は、犯人が車で通ったとみられる道路を撮影した防犯カメラの映像を解析。その結果、勝又容疑者の車が写っていたことが
分かった。
勝又容疑者は〇五年十二月一日午後二時四十分～二日午後二時ごろに栃木県内かその周辺で、有希ちゃんの胸を刃物で多数回
突き刺し、殺害した容疑で逮捕された。容疑を認め、凶器や遺品を「捨てた」と話しているというが、いずれも見つかっていない。
有希ちゃんの遺体は二日午後、約六十五キロ離れた茨城県常陸大宮市の山林で見つかった。
◆「まだ不安な気持ち」
容疑者逮捕から一夜明けた四日朝、吉田有希ちゃんが通っていた栃木県日光市立大沢小学校では、児童らが見守る大人たちに
あいさつしながら集団登校する姿が見られた。
午前七時四十分ごろから、黄色い帽子をかぶってランドセルを背負うなどした児童が続々と登校してきた。学校前や通学路に立つ
教職員らの前を通ると、「おはようございます」と声をそろえた。学校まで車で児童を送る保護者の姿もあった。
同校では事件後、児童が一人にならないようにと集団登校を実施してきた。下校時は保護者が迎えにきている。
事件後に地元住民や保護者らが発足させた地域自主防犯団体「大沢ひまわり隊」も、これまでと同様に通学路で児童らを見守った。
孫が有希ちゃんと同級生だったという隊員の無職河原武さん（７４）は「通学時の様子は普段と変わらないと思う。容疑者は逮捕されたが、
まだ安心できない気持ちもある」と話した。
大沢小では四日午前、全校集会が開かれた。大塚武夫校長が、児童二百五十人に容疑者逮捕について説明。有希ちゃんの冥福を
祈って一分間の黙とうをささげた。大塚校長は、命を大切にして、精いっぱい生きることの大切さも話した。
ソース（東京新聞） URLﾘﾝｸ(www.tokyo-np.co.jp)