14/06/03 11:40:19.96 0
上京した際、時間つぶしにファストフード店に入った。片言の日本語で丁寧に接客してくれたのは外国人従業員。
夜出掛けた広めの居酒屋でも、多くの外国人が働いていた。
大都市の人手不足は深刻なようだ。４月の有効求人倍率は１・０８倍。１７カ月連続で改善し、
１９９２年７月以降の最高値に並んでいるという。求職者ひとりに対して、選ばなければ、
必ずひとつ以上の仕事はあるということだ。しかし、ことはそう単純ではない。
有効求人倍率は、正規雇用のみならずパートなどいわゆる非正規雇用も含む。
毎月の収入が保証される正社員だけでなく、日給や時給で働く人も加えてはじき出された数字である。
だから、発表された数字だけを見て単純には喜べない。
そのうえ正規、非正規を問わず、数字の裏にはあまりにも厳しい雇用の実態が隠されている。
休日も取れないほどの長時間労働、仕事の内容に比べて著しい低賃金などはよく聞く話だ。
体は疲れ果て精神的にも追い詰められ、結局は仕事を辞める人が少なくない。
企業側の都合によって人手不足になっているケースも多いのだ。実際に働き手がどんどん辞めてしまい、
店舗を大幅に減らしたり営業時間を短縮したりする大手外食チェーンもある。
業績の悪化が原因ではないから、根っこは相当深い。
確かに有効求人倍率は改善されてきた。数字を根拠の一つに、景気は回復傾向にあると国は説く。
だが、数字からは読み取れない暗い闇をどうする。今のままでは、数字が良くなるほど闇も広がるのではないか。
杞憂（きゆう）であると良いのだが。
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