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４Ｋテレビ、思惑交錯 ２日から試験放送開始
2014/06/01 02:00
高精細テレビ「４Ｋ」の試験放送が２日に始まる。
家電メーカーではソニーやシャープが2014年度に大型テレビの販売台数の半分以上を４Ｋ対応製品にする。
家電量販店も売り場拡大に動く。一方で番組供給を担う民放各社などからはコスト増加に慎重な声も上がる。
政府は20年の東京五輪開催までに普及させたい考えだが関係業界が一枚岩になりきれない中の船出となる。
４Ｋはフルハイビジョンの４倍の解像度をもつ。政府は同テレビの普及を成長戦略の柱の一つに据える。
現在ソニーやパナソニックなどが販売する４Ｋテレビは、地上デジタル放送の映像をテレビ内の処理で４Ｋに近い解像度にしている。
試験放送が始まれば、より高精細な本来の４Ｋ画質を楽しめる。試験放送に期待を膨らませるのは家電メーカーや家電量販店だ。
「今年は４Ｋ元年。攻勢をかける」とシャープ幹部は力を込める。同社は４Ｋ試験放送を録画・再生できる業界初のレコーダー
「ＡＱＵＯＳ（アクオス）４Ｋレコーダー」（税抜き市場想定価格12万円前後）を６月25日に発売する。
シャープは14年度に50型以上の大型テレビ販売の半分以上を４Ｋ対応品にする。
ソニーも春夏向けのモデル数を前年の倍以上の８機種に増やす。大型テレビの中で１割程度だった４Ｋ比率を今年度は５割まで高める。
家電量販店も夏のボーナス商戦を前に、久しぶりの有力商品として期待を寄せる。
エディオンは14年度に４Ｋテレビの販売比率（金額ベース）を13年度の約２割から３割に高める。テレビ売り場の中央にソニーなどの４Ｋテレビを置いた。
ビックカメラも旗艦店の有楽町店（東京・千代田）の売り場で最も来店客に見られるエスカレーター脇に各社の４Ｋテレビを配置。
５月末からは同店で４Ｋのビデオオンデマンド（ＶＯＤ）サービスの試験映像の配信も始めた。
電子情報技術産業協会（ＪＥＩＴＡ）によると、13年の国内薄型テレビの出荷台数は12年比16.7％減の537万台だった。
ピークだった10年の2519万台の２割の水準に落ち込んだ。11年の地デジ完全移行時のエコポイント特需の反動が響いている。
14年は地デジの全国放送が始まった06年から８年がたち「買い替え需要が期待できる」（ソニー幹部）。
４Ｋ試験放送をきっかけに需要を喚起し「東京五輪までに薄型テレビ市場を年800万台程度まで回復させたい」（エディオンの久保允誉社長）としている。
URLﾘﾝｸ(www.nikkei.com)