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安倍首相、ASEAN全面支援を表明 海の警備力強化
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Reuters 2014年 05月 30日 22:26 JST
[シンガポール/東京 30日 ロイター] - 安倍晋三首相は30日、シン
ガポールで始まった「アジア安全保障会議」で講演し、中国と対立するベトナ
ムなどASEAN(東南アジア諸国連合)の沿岸警備能力構築を全面支援する
方針を明らかにした。また、日中間の偶発的な衝突防止に向けた態勢作りを中
国に呼びかけた。
安倍首相は講演で、これまでも繰り返してきた国際法順守の重要性を改めて強
調。「国際法に照らして正しい主張をし、力や威圧に頼らず、紛争はすべから
く平和的に図るべき」と訴えた。
その上で、西沙諸島付近で石油掘削に乗り出したり、南沙諸島で環礁を埋め立
てるなどしている中国の動きを念頭に、国際法の範囲で解決を模索する「フィ
リピンの努力を私の政府は強く支持する」と表明、「ベトナムが対話を通じて
問題を解決しようとしていることを同様に支持する」と語った。さらに「AS
EANと中国の間で、真に実効ある行動規範ができるよう期待してやまない」
と述べた。
安倍首相は、4月に日本が防衛装備品の輸出ルールを見直したことを紹介。
「救難、輸送、警戒、監視、掃海など目的に応じ、日本の優れた防衛装備を出
していけることになった」とし、「ODA(政府開発支援)、自衛隊による能
力構築、防衛装備協力など、日本が持ついろいろな支援メニューを組み合わせ、
ASEAN諸国が海を守る能力をシームレス(切れ目なく)に支援する」と語
った。
日本はすでにインドネシアに巡視船を供与、フィリピンにも提供することを決
めた。ベトナムにも供与する方向で、4月に調査団を派遣した。輸出した装備
品の訓練などを通じ、海洋警察同士、軍同士の協力強化を狙う。
さらに安倍首相は、東シナ海で緊張が高まる日中関係について、不測の事態を
防ぐ「連絡メカニズム」を構築することで2007年に合意していたと指摘。
「海上での戦闘機や艦船による危険な遭遇を歓迎しない」と語り、「両国間の
合意を実施に移すことが地域全体の平和と安定につながる」と、中国に交渉の
席につくよう求めた。
日中関係をめぐっては、船舶だけでなく、航空機による偶発的な衝突につい
ても懸念が高まっている。5月24日には中国軍の戦闘機が自衛隊機に異常接
近する事態が発生した。
安倍首相はこのほか、集団的自衛権をはじめ、安全保障の法整備見直しに向け
た議論が日本国内で進んでいることを説明した。
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