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和水町の自殺生徒、「いじめ」知人に告白
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熊本日日新聞 2014年05月30日
２０１２年７月に自殺した和水町立中３年の男子生徒が生前、「自分がいじ
められている」と県外の知人に伝えていたことが３０日、町が全文開示した第
三者調査委員会による調査報告書の記述で分かった。このケースでは生徒の遺
書が確認されておらず、いじめの有無が焦点となってきたが、本人が周囲から
の行為をいじめと認識していたことが明らかになったのは初めて。
町教委は今月２０日に見解を見直すまで、いじめの存在を否定していた。一
方、第三者委は同級生らへの聞き取り調査の結果、いじめがあったと認定。自
殺の要因は特定できないとしながらも、「自死（自殺）を引き起こした要因の
一つに含まれる可能性は否定できない」との見方を示していた。
報告書によると、生徒はインターネットの交流サイトで知り合った県外の女
性と電話でもやりとりをするようになり、中学１年のときに「自分はいじめら
れている」「学校が嫌、面倒くさい」と伝えていた。第三者委による聞き取り
調査に女性が答えた。女性は当時、生徒に学校へ行くよう助言したという。
生徒の発言は１年のときだが、第三者委が認定したいじめ１１件のうち少な
くとも５件は、２年の３学期から自殺直前の７月までの行為だった。時期が特
定されていないものもあり、いじめは長期にわたっていたとみられる。
発言に関して第三者委は報告書で「『いじめられている』と他人に話した唯
一の情報」と注目。県外の知人に話した点を捉え、「身近にいない人間だから
こそ、本音を漏らした可能性も否定できない」と指摘している。（猿渡将樹）