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世界遺産の原始林自生の多年草、鹿が食い荒らす
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奈良市の東大寺や興福寺などとともに、世界遺産に登録された
国特別天然記念物の春日山原始林(約300ヘクタール)に自生し、
絶滅が心配されている多年草のジングウスゲとセンダイスゲが、
原始林で行動範囲を広げる鹿の食害に遭っていることが、県の調査でわかった。
鹿が近づけない高所などにかろうじて残っている状態といい、鹿よけの柵を設置して保護するとしている。
昨年12月下旬~今年1月中旬、原始林の下草を調べて判明した。
ジングウスゲは、県のレッドデータブックで絶滅寸前種に指定されており、
県内では原始林でのみ生育している。見つかったのは高さ約2メートル以上の壁面や、
谷沿いの崖など14か所で、すべて鹿が入り込めない場所だった。
センダイスゲは絶滅危惧種。県内では原始林と金剛山の2か所でしか見られない。
調査の結果、西側の遊歩道沿いの壁面で確認した。
ともに、かつては原始林全域に生えていた草だが、
鹿が出入りする平らな場所や緩やかな斜面では、
奈良公園一帯で約1100頭が生息する鹿に広葉樹の若木同様、食べられたとみられる。
原始林内では、この2種類を含むシダ植物67種、種子植物137種を確認した。
スゲなどが少なくなると、雨が降った際、原始林の表層の土が流出し、
保水力が低下して土砂崩れが起こりやすくなるという。県はスゲなどの保護のため、
今年度中に柵を31か所に設けるとしており、
奈良公園室の担当者は「鹿の食害で壊滅的な被害が出ていることがわかった。
早急に対策を講じて原始林の多様性を守りたい」と話している。(近藤修史)