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「史上最強の侵略的外来種」が日本列島で勢力を拡大しつつある。
この脅威の外来種とは、３ミリに足りないアルゼンチンアリだ。
過去１５０年間に世界各地へ侵入し、大陸間をまたぐ地球規模の超巨大血族集団を形成してしまった。
地球の裏側の日本には１９９３年に出現し、今では中国地方から関東にかけての瀬戸内、
太平洋沿岸などの１都１１府県に分布している。
海外では他種のアリの殲滅（せんめつ）にとどまらず、ミツバチの巣を襲ったり、
農作物を荒らしたりするなどの猛威ぶりが報告されている。生態系を乱し、人の暮らしも脅かす。
「このアリの最大の特徴は、すさまじい増殖力ですね」と昆虫生理学者で東大名誉教授の
田付（たつき）貞洋さんは語る。田付さんは３月に出版された『アルゼンチンアリ』（東京大学出版会）の編著者だ。
他種のアリたちが持っている「普通」の性質を捨てて、
ひたすら増殖に有利な「変則」の性質を進化させたのがアルゼンチンアリなのだ。
ただし外見は普通のアリだ。チョコレート色をしていて体長は２・５～３ミリ。
普通の人の目を引くとすれば「黒いベルト」と表現される行列の様子と
１秒間に５センチもの速度で進むことがある速い動きだけだろう。
名前の通り、原産地は南米のアルゼンチンなどである。河川敷に生息し、
洪水で流されることで分布を拡大していたらしい。それが１９世紀以降の交易拡大で
長距離移動の手段を手に入れた。「水流」から「物流」への乗り換えだ。
（略）
日本にもスーパーコロニーが存在する。山口県から東京都にわたる範囲に４つある。
そのうち最大のジャパニーズ・メインと名付けられたスーパーコロニーは、
山口県柳井市から神戸市にかけての３００キロを確実にしつつ、さらに東京に至る総延長５００キロの
巨大スーパーコロニーを構築中だ。
彼らは定着すると他種のアリの巣を圧倒的多数の集団で襲うなどして、
地域の在来アリを一掃してしまう。田付さんによると「一種異様な光景です」。
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URLﾘﾝｸ(sankei.jp.msn.com)
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