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2014/05/25 日本経済新聞 朝刊 一面
ラーメンにいきなりコショウを振りかけるかどうか―。ある店の店主に聞くと「かける派」「かけない派」はほぼ半々らしい。
丼が出てくるや大量に「かける派」としては、とても心配なニュースを知った。この香辛料の品不足が続き、取引価格が高騰しているのだ。
▼先日の本紙電子版によると、今年のマレーシア産黒コショウの国際価格は前年同期に比べ4割ほども高い。国内の卸値も史上最高値をつけていて、
いずれ末端商品にも影響が及びかねないそうだ。背景のひとつは中国でのカップ麺の普及だという。
スープの味をピリリと決める一振りも、積もり積もれば膨大な需要となる。
▼コショウほど歴史を揺り動かしてきたスパイスはない。中世ヨーロッパでは金銀財宝のごとく扱われ、交易を支配したベネチアなどに繁栄をもたらした。
やがて大航海時代になると、あの刺激を求めて野心家たちが荒波をこえる。値段が落ち着いたのは、インド以外でも広く栽培されるようになった18世紀末からだという。
▼かくも人類を魅了してやまぬ香辛料だから、今回の価格高騰もなかなか手ごわいのかもしれない。コショウの木は植えてから実がなるまでに4~5年もかかるという。
そんなことにも思いをいたして、このさい使いすぎは自粛するとしよう。そこのお客さん、ひとり耳かき1杯かぎりだよ! なんて事態を招かないように。
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