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体内では再生しないとされる神経細胞を酵素(たんぱく質)の投与で再生させることに
ラットの実験で成功したと、武井義則・京都大特定助教らの研究グループが15日、
科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。脊髄損傷などの新たな治療法になる可能性があるとしている。
神経細胞は、体の各部位と脳の間で信号をやり取りしている。
脊髄には、神経系の細胞のもとになる神経幹細胞があるが、
通常は体外で培養しないと神経細胞に変化しない。交通事故などで脊髄が傷ついた際、
神経幹細胞は患部に集まってくるものの、傷口をふさぐ細胞にしか変化せず、
神経細胞にはならないため、信号がやり取りできなくなり、手足にまひが生じる。
グループは、脊髄で神経細胞への変化を抑えている物質を特定。この物質の働きを止める酵素を、
脊髄の半分を損傷させたラットの患部に2週間注入し続けた。すると、投与開始から1週間後に
新しい神経細胞ができ始め、4週間後には後ろ脚で体重を支え、動き回れるようになった。
投与しなかったラットはほとんど動けなかった。
武井さんは「軽い脊髄損傷なら、症状をある程度抑えられるのではないか。
重度の場合も、酵素で再生を促した後、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った神経細胞を補えば、
より効果的な治療になるだろう」と話している。
URLリンク(www.yomidr.yomiuri.co.jp)
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