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都内で失踪群馬で保護
「みえこ、みえこ」
12日昼、群馬県館林市の介護施設で柳田滋夫(しげお)さん(68)=
東京都台東区=は、車いすの妻三重子さん(67)の手を握りしめ、
何度も名を呼んだ。妻は目をつぶったまま。言葉を口にすることもなかった。
それでも、「会えたのは奇跡だ」と思った。妻の失踪から7年近く。この日は
41回目の結婚記念日だった。「99%あきらめていた。年末に失踪宣告の
手続きをするつもりだった」
2007年10月29日。
午後7時ごろに滋夫さんが帰宅すると、デイサービスから戻っているはずの
妻の姿がなかった。自転車を走らせて近所を捜した。近くの公園や川沿いで
ホームレスの人らに妻の写真を見せて回った。
行方はようとして知れなかった。2日後、警視庁浅草署に捜索願を出した。
60キロあまり離れた群馬県館林市。東武鉄道館林駅前の交番で、女性が
館林署員に保護された。三重子さんの行方がわからなくなって数時間後の同月
30日午前0時半ごろのことだった。
当時、署が市に送ったファクスによると、女性は署員に「ヤナギダ・クミコ」
と名乗った。一方、下着には「ミエコ」と書いてあった。三重子さんだった。
県警はこのとき、女性の保護についての照会書を全国の警察に出した。だが、
「下着にエミコと書かれていた」と名前を誤って記し、浅草署員が気づくことはなかった。
県警から連絡を受けた館林市は、この日のうちに女性を市内の介護施設に引き渡した。
自称をもとに、「柳田久美子」の名前で住民登録した。
滋夫さんの話では、三重子さんは50代後半から徘徊や物忘れが目立ち始め、
再会のきっかけは、今月11日に放映されたNHKの番組だった。三重子さんが「身元不明のまま、介護施設で暮らしている女性」として紹介され、滋夫さんの親族が気づいた。