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先生:生徒指導は今/4 親も子も、生活に精いっぱい
◇「貧困の影」教室にも
中学生の就学援助受給率が43%を超える東京都足立区。
区内で34年間中学校の教員を務め、昨年度退職した大谷猛夫さん(62)は、
家庭訪問で「家で勉強できる環境にない」と感じることが少なくなかった。
狭い部屋で勉強机がなかったり、小さな弟が走り回っていたりする家庭も珍しくなかったからだ。
大谷さんが教えたある学校の3年生は、半数が就学援助を受給していた。
担任したクラスでは4人が不登校。
うち1人は就学援助を受け、両親が仕事のため多忙でほとんど家にいなかった。
家を訪ねると、生徒は最初、ドア越しに応答したが、じきに反応しなくなった。
昼は清涼飲料水の販売、夜は居酒屋で働く母親が夕刻、夕食作りに帰るころを見計らい、週1回通った。
「行事だけでも出よう」と促した。仲間と力を合わせる喜びを感じてほしい。
教員たちで知恵をしぼり、運動会も大縄跳びのように集団で力を合わせる競技を企画した。
しかし、母親が漏らした言葉はショックだった。
「先生、勉強は小学校まででいいと思うんです」
大谷さんは言う。「70年代の子はもっと貧しく、荒れて反社会的な行動もとったが、エネルギーは外を向いていた。
今はひきこもって“没社会的”になってしまう。親も子も希望をなくしていて、働きかけても反応が鈍い」