14/05/13 12:42:18.37 inl5hY3r0
小林よしのり コラム
●「美味しんぼ」は卑怯で邪道! しかし守銭奴と権力者と御用学者の洗脳活動には騙されてはいけない。
「美味しんぼ」の鼻血シーンがどの新聞にも載っている。
漫画は読んでないが、主人公が福島第一原発の構内を取材した後日、原因不明の鼻血を出すという話らしい。
「そんなにすぐ被爆の症状が現れるかな?」とわしは思う。
それなら現場の作業員はもっと多数、鼻血出す者がいるはずだが、聞いたことない。
あんまり過激に描きすぎると、信憑性がなくなるし、そもそも雁屋哲は左翼だから、ノンフィクションを混ぜるとマユツバものになる。
『ゴーマニズム宣言』は主人公が作者だから、作者の身に起こったことしか描けない。
もしわしが福島から帰ってきて鼻血が出たシーンなんか描いたら、明白に嘘になるのだ。
実は二度の福島取材のあとで、何十年ぶりに喘息の発作が出て、
放射線の影響かと思って病院で聞いたら、それはないと言われた。だから当然、描いてない。
意味深に喘息が出るシーンなんか入れてない。
「美味しんぼ」の場合は、フィクションとノンフィクションの境界が曖昧すぎる。
架空の主人公が鼻血を出したら、どう解釈すればいいのかわからなくなる。
架空の主人公だからフィクションか?だが架空の主人公に関わる人物は、実在の人物だから、ノンフィクションなのか?
「嫌韓流」のときも同じ疑問を感じたのだが、主人公が架空の人物なのに政治的主張をしてたら、リスクを軽減できるから卑怯だと思う。
「美味しんぼ」の場合は、すでに愛読者が架空の主人公に感情移入しているのに、その主人公に鼻血を出させたのだ。これもちょっと邪道すぎる。
ただしこの鼻血描写の件で、「風評被害」を起こす危険があるから「描くな、報じるな」という圧力をかけるのはまた問題がある。
低線量被爆の影響が原発ムラによって封殺されているのかもしれないから、守銭奴と権力者と御用学者の洗脳活動には騙されてはいけない。