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日本原子力文化振興財団が91年作成の「世論対策マニュアル」
原発推進マニュアル明記の主な「方策」
国民向け
★繰り返せば刷り込み効果
・人気タレントが「原子力は必要だ、私は安心しています」といえば人々が納得すると思うのは甘い。
やはり専門家の発言の方が信頼性がある。
・繰り返し繰り返し広報が必要である。新聞記事も、読者は三日すれば忘れる。
繰り返し書くことによって、刷り込み効果が出る。いいこと、大事なことほど繰り返す必要がある。
・政府が原子力を支持しているという姿勢を国民に見せることは大事だ。信頼感を国民に植え付けることの支えになる。
・夏でも冬でも電力消費量のピーク時は話題になる。必要性広報の絶好機である。広告のタイミングは事故時だけではない。
・不美人でも長所をほめ続ければ、美人になる。原子力はもともと美人なのだから、その美しさ、よさを嫌味なく引き立てる努力がいる。
★文科系は数字をありがたがる
・泥遊びをすれば手が汚れるが、洗えばきれいになる。危険や安全は程度問題であることを
われわれはもっと常識化する必要がある。
・戦争でも状況判断ができれば、あわてなくてすむと聞く。軽重の判断をするには基礎知識が欠かせない。
文科系の人は数字をみるとむやみに有難がる。
・原子力がなければどんなことになるか、例をあげて説明するのがよい。
・停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが、大衆であることを忘れないように。
・ドラマの中に、抵抗の少ない形で原子力を織り込んでいく。原子力関連企業で働く人間が登場する
といったものでもよい。原子力をハイテクの一つとして、技術問題として取り上げてはどうか。
マスメディア対策
★良識的コメンテーターの養成
・原子力に好意的な文化人を常に抱えていて、何かの時にコメンテーターとしてマスコミに推薦出来るようにしておく(ロビーの設置)。
・数名からなるロビーをつくりコメンテーターの養成に努める。役所でレクをするときに意識的に識的コメンテーターの名前やコメントを出す。
・ロビーづくりは無理にしなくとも、記者クラブや論説委員との懇談会を利用したらよい。
常設せずとも、必要があれば主婦連の人を集めて意見を聞くなど、臨機応変に対応したらよい。
・いいスポークスマンは役所のプラスイメージになる。新聞記者が積極的に彼の意見を求め、記事の中に引用するようになる。
そうすると、スポークスマンの考え方が新聞記者間に浸透するようになる。一種のマスコミ操作法だが、合法的世論操作だ。