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※週刊朝日 2014年5月9・16日号より抜粋(更新 2014/5/11 07:00)(抜粋。改変あり。全文はソースにて)
灘・和田孫博校長:僕も灘に入ったときにそう思いました(笑)。けれど、子どもは自分
の得意な分野をひとつでも見つければ、それを糧にその他の能力も伸ばしていくことがで
きます。得意なことは何でもいいです。スポーツでも音楽でも。それを軸に枝葉へ伸びて
いけばいいのです。英語の歌に魅せられて英語が好きになることもあります。大人は、子
どもの自由な好奇心を邪魔してはいけません。虫が好きな子に、それをやめさせて「算数
の勉強をしなさい」ではダメです。親も教師も、本人が努力してできるようになったこと
を見つけて褒めてあげましょう。これは甘やかしではありませんし、子どもの安心感と信
頼感につながり、ますます力が伸びます。
開成・柳沢幸雄校長:部活の加入率が非常に高いのも本校の特徴です。高2までの生徒
1700人のうち、加入者は1700人以上。掛け持ちしている生徒がいるのです。授業は非常に
レベルが高く、予習は絶対に必要ですし、定期テストも難しい。切り替えて時間をうまく
使って勉強してます。
和田:灘も同じです。自由にさまざまな課外活動を行っています。創設者である嘉納治五
郎の言葉「文武不岐」、つまり、勉学もその他のものも分けられないものだという精神は
今も生きています。
―確実に学力を伸ばして、さらに開成や灘に入れる方法はありますか?
柳沢:いちばん簡単な方法は、算数をやることです。問題が解けた!という小さな成功体
験を得やすく、そこを褒めてやると自信がついて他の教科も伸びます。開成の中学入試で
は、やると決めた方向に、自分を律することができる素質が必要です。入試はペーパーテ
ストだけですが、それほど難しくない問題を大量に出し、国語ではうんと長い長文を読ま
せます。集中力と辛抱を測っています。
和田:僕は英語の教師だからこそ思うんですが、基本は日本語力だと思います。就学前に
机に向かわせて知識を詰め込む必要はありませんが、本をきちんと読む習慣は必要です。
漫画でもいいですし、ページをめくらないタブレット型でもいい。読む力がないと知識は
蓄積できませんし、受験問題も読み解けません。