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ジェンダー
なぜ女は昇進を拒むのか―進化心理学が解く性差のパラドクス [単行本]
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性差別がなくなりさえすれば、職場には女性が続々と進出し、男性と肩をならべて出世競争に邁進するはずだ。
なぜなら男女は本質的に同一の存在であり、求めるものも同じなのだから―60年代フェミニズムが高らかに主張した
この考えは、いまや常識となった感がある。だが現実には、今日なお多くの職場で格差は大きいままだ。仕事にさく時間や
地位が男性の標準に近づくほど、女性の満足度が低くなるという調査結果は経済学の世界では有名だし、
昇進をもちかけられた女性の4割近くが辞退しているというデータさえある。
他方、子ども時代に自閉症やADHD、読み書き障害をかかえて苦労するのは、圧倒的に男が多い。男は学校中退率も高く、
成績でも概して女に後れをとっている。しかし社会に出ると事情は逆転し、成人してから天才的偉業をなしたり、
企業などで重要なポジションを占めたりするのは、多くが男だ。
男と女は、やはり本質的に「違う」のではないか? 統計的にもあきらかな生物学的違いを無視して、杓子定規に「平等」を
求めることは、本当にわれわれを生きやすくするのだろうか?
気鋭の女性心理学者が、最新の脳・ホルモン研究などの科学的知見に基づき、多くの「逸脱」した男女のインタビューを
紹介しながら、性差をめぐるタブーに切り込む。欧米を騒然とさせた話題の書。