09/07/25 23:32:03 kBeV1gjd
>>335
やはり赤井には友が多く、一日中一緒というわけにはいかないが、それでも八重は学校生活を楽しく感じ始めていた。
授業が終わり他の生徒達が部活へと向かう中、二人は一緒に昇降口へ向かう。
生徒会とはそんなものなのか、疑問はあったが尋ねる理由などない。
外を見ると、ずいぶん小降りになったもののまだ雨が降っていた。
赤井は傘を持っていないし、八重の傘は折り畳み式の小さな物。
二人は入れないであろう傘を差すよりも、彼女は濡れながら歩く事を選んだ。
八重に電話がかかってきたのはその夜だ。
応対に向かう姿にはやはり少々の躊躇いが見られたが、間もなく笑顔に変わった。
「もしもし、アタシだ」
「どうしたの?」
もっと気の利いた事を言いたかったが、普段よりワントーン声をあげるのが八重には精一杯だ。
「お前明後日の日曜、暇か?」
突然の誘いに戸惑う八重。
少々の後に、大丈夫と八重が応えて間もなく、赤井は時間と集合場所のみを伝えると電話を切ってしまった。
「あっ、赤井さん?」
誘ってもらったはいいが、10時に駅に集まるということ以外何もわからない。
かけなおそうかとも思ったが、そうまでして色々と聞き出すのはなんだか悪い気がした。
結局、誘いを受けたのに関わらず、なんだか大きな不安を抱いたままに八重は床に着いた。