05/09/25 10:57:59 kfSWaKLX
「弥生ー、早くしないと学校に遅れちゃうよー!」
「え…?その、私やよ…あっ」
誰かが腕を鷲づかみにして引っ張る。
(赤い髪…朝日奈さん?)
愛は慌てていた。何しろ自分も学校に遅れそうだったからだ。
「あの…たぶん人間違い…!」
グイグイと腕を引っ張られる。少し痛い。
その時、
「あー!弥生ー!弥生が学校に遅刻しそうで、今弥生を学校に……っ!」
愛の腕を引っ張っている女の子はようやく気付いたようだ。
道路を挟んだ向かい側に女の子が立っている。
「ゴメン!本当にゴメン!」
ひたすら謝る女の子。名前は『春日つかさ』というらしい。
「つかさはいつもそうなんだから…。本当にごめんなさい」
弥生水奈がぺこり、と頭を下げたのでつられて頭を下げる愛。
「じ、じゃあ学校に遅れちゃうからここらへんで!」
つかさは物凄い速さで遠ざかる。水奈はゆっくりと歩き出す。
ふと腕時計を見た。本格的に危ない時間になっていた。
「ねぇ水奈。さっきの子、水奈に凄い似てたよね」
「全然違うじゃない…あの子の方がかわいいし、明るそうだし。何より髪の色が…」
うーん、とつかさが唸る。
「でも…何だかあの子とは仲良くなれるかも…」
校庭の桜を見ながら水奈は呟いた。
追記:
誤爆ってことで