14/05/29 23:55:13.44 xWGbmuiU
NF文庫「巨砲艦」読了。
ぶっちゃけ「巨砲艦」というより「19世紀以降の近代軍艦発達史」といった内容。
南北戦争の装甲艦から始まり、各国海軍で試行錯誤の末に生まれていった黎明期の様々な鋼鉄軍艦とそのシステムの解説。
「大砲を艦船に乗せる」という今では当たり前の発想が、当時の(今から見たら本当に小型な)フネには如何に困難なのか。
また、その大砲と盾・鉾の関係にある艦船への装甲防御の経緯、近代軍艦の御先祖様達、
また、それらを用いた海戦技術の未熟さ、発達の流れも、リッサ海戦や黄海海戦などの事例を引いて紹介している。
幕末に日本に渡った甲鉄艦やロシアの円形軍艦、アメリカのダイナマイト砲艦など、有名どころからどマイナー艦まで出てくる。
これを読んでみると、陸上対艦船の砲撃戦が何故艦船の圧倒的不利とされてきたのかなどがよく分かる。
(プラットホームとして安定性やスペースの余裕のない軍艦では、陸上陣地からの砲撃を遥かに下回る速度でしか打ち返せない、など)
黎明期の近代海軍の入門書として個人的にオススメ。