05/05/16 13:50:11
すると、甘い匂いが立ち込め、火の光の中に、キャバレーで豪遊していた自分の姿が見えるではありませんか。
思わずホステスのお尻に手を伸ばすと、
火は消えて基の暗い物陰に戻りました。
オヤジはもう一枚、もう一枚と封筒に火をつけ、最後の一枚で見えたのは、優しく公共事業を振舞う小渕総理の姿でした。
「総理、行かないで。私も連れて行ってください。」
闇の中に消えて行く総理の影を追って、オヤジは走りました。
翌日、街角の物影で、冷たくなったオヤジの死体が発見されました。清掃局員が始末に困っていると、1人のアメリカ人が「ここで遭ったのも何かの縁です。
私が引き取って埋葬してあげましょう」と申し出ました。
そして死体を持ちかえると、オヤジが身につけていたイタリア製の背広や靴や、金歯まで抜いて、残った死体は海に捨ててしまいました。
そして電話しました。
「やぁ、リチャード。今、始末が終ったよ。」
「おや、ハゲタカか。首尾はどうだい。」
「上々だよ。ところで、あの封筒に入っていた白い粉は何だい? まさか炭素菌じゃないだろう」
「知り合いのブードゥーから貰った幻覚剤だよ。日本人を騙すことなんて簡単さ」