05/12/14 15:21:25
また、言語は設計当時の技術水準を前提にして設計されているし、
当時重要であった課題を優先して解決するように設計されている。
FORTRANの例で言えば:
FORTRANの行指向な言語設計は行単位に1枚のカードが使われていた
ハードウェア技術に大きな影響を受けている。
構文解析が案外面倒な面倒な算術式のパース技術が取り入れられた背景としては
当時算術演算を手軽に記述できる言語が他になく正にそれが求められていたからだ。
その一方で計算機のメモリやディスクの容量が限られていたこともあって
プログラム規模が当時は現代より比較的小さかったので
ユーザ定義のデータ型への需要は相対的に小さかったためそういう機能は貧弱だ。
LISPの例で言えば:
何よりAI研究で必要な柔軟なデータ形式である
リンクリストやそれを利用したツリーを簡単に操作できることが優先目標だったから
それが充実している一方で、算術式はお世辞に読みやすいとは言えないし、
効率のよいランダムアクセス可能な配列といった機能はなかった。
(近年LISPを語る際によく言及される、
メタな機構が充実したのはちょっと後のことで誕生当時の古LISPでのことではなかった筈だ。
言語のメタな構造がLISPが解く意図するツリー構造と相性がよかったこと、
元々の適用分野がAI研究だったことなどが影響しているのだろう。)