06/12/07 03:40:39
>>346-348
男児のほうが出生数が多いのは事実だが、その偏りはそれほど大きいものではな
い。せいぜい数%だ。しかし、未開各社会、貧困社会で見られる偏りはしばしば
10数%に達し、自然の偏りよりも大きいことが知られている。それは意図的な
選択が行われるからであることがわかってきている。
例えば、戦時は兵士として男児が推奨される一方で、相対的に女児が大事にされ
ず選択的なネグレクト(育児放棄)が増える結果そうなる。また戦時でなくても
発展途上の国では男児のほうが働き手としての価値が高い為、貧困層で強くその
ような選択圧がかかる。それは期待できる労働力という経済的な観点からギリギ
リの生活の中男女両方を育てられない貧困家庭で資源を男児に集中する傾向があ
るからだ。
実際、その傾向は産業革命期のイギリスでもまだ続いており、貧者の捨て子は合
法であり、それを引き受ける場である孤児院の多くは子供を育てるよりはむしろ
始末する場所であったことが判明している(なんと生存率10数%以下)が、やは
りその中でも労働力として期待できる男児が生き残るほうが人為的な程度に多か
ったそうだ。