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563 名前:YRP常駐from群馬 投稿日:04/10/16 10:13:12
仕様書を書くべき者たちは、連日の不毛な"勢力争い会議"に付き合わせられて、
その場で仕方なくノートパソコンを開いて仕様書に反映させようとしていたが、
打ち合わせは決まって後半が"部門間の罵り合い"に至り、設計者達はあきらめて
ノートパソコンを閉じてしまう有様だった。
そんな話を俺達は上位会社から噂で聞いていた。スケジュールの完成日は決まって
いるのに、仕様が決まらぬまま最初の3ヶ月が過ぎた。その間、一応与えられた
ソースの改良は済んだのだが、コンパイル担当者とソース版数管理者への連絡手続き
に、5箇所の部門を中継する必要があって、その為の依頼文書作成も大変だった。
部門間を中継する依頼ルートもこちらから出して安心ではなく、中継箇所ごとに
机に埋もれていないか確認しないと進まないのだった。
俺も中継担当者達にはかなりウザがられたものだった。
仕様が流動的なものだからソースの改版も激しく、改版手続きの中継部署の担当も
その煩雑な手続き業務に忙殺されていた。俺達以外の多数のチームからも変更毎に
依頼文書が殺到してくるのだ。連日の会議で思いつきで発言される機能変更が出て
来るたびにこの状態に陥った。
したがって、会議室での機能変更のハナシから、現場のブレッドボード上での
デバッグまでおよそ1ヶ月の時差が生じた。会議室での仕様変更はホットなもので、
これは連日塗り替えられるのだ。開発部門間の勢力争いには、さすがのインパール
提督も強権を発動できず、ただ見守るしかなかった。彼ら全体の支持があって
こその地位でもあったからだ。それらの部門すべてをバックに、インパール
提督は将来の社長への道を固めつつあったらしい。
下請けの俺達にとっては、昼休みに食堂で上位の上位会社の社員の話す噂話
はただの世間話に過ぎなかったが、機能変更の裏話を聞くと腹立たしくも
感じた。