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470 名前:YRP常駐from群馬 投稿日:04/10/13 01:50:15
あれは新製品開発のための決起大会が開かれた時だった。大会議室には体育会系
兵士達(営業部隊から拝借)による盛り上げ演出が行われていた。
プロジェクトの最高責任者である本部長(通称「インパール提督」)による決起大会
挨拶が始まろうとしていた。壇の両脇にはかがり火が灯されていて、体育会兵士達が
盛り上げコールをかなり長い事続けていた。
「インパール提督バンザーーーイ!インパール提督バンザーーーイ!」
提督が片手を上げると、コールが止んで静けさが戻った。
体育会系社員達を纏める某部長が部下達に負けぬ大声で叫んだ。
「皆の者!インパール提督による精神論のご講話が始まる。心して聞くがいい」
・・・
「開発部隊の諸君。既に耳には入っていると思うが、今期予算の達成は非常に
厳しい状況である。しかし、これは諸君たちにとって真の愛社精神を示すまたと
無いチャンスでもある。今すぐに諸君に還元できるものは何も無いが、私が常に
口にしている精神論の意味をもう一度心に命じて欲しくて、今回の大会を開いた。」
「中には私の話の真の価値を理解できずに退屈そうに見える者もいるようだが、部下に
命じて精神論の研修も徹底するように命じてある。私の魂の声を聞くべき大会の意味を
もう一度諸君に刻み込みたい。」
・・・
その後、インパール提督による「精神論」の講話は延々と3時間以上も続いた。
話の切れ目毎に体育会兵士達による「インパール提督バンザーーーイ」のハヤシが
挿入された。空調も効いていない部屋はかがり火と人口過密による酸欠状態となり、
何人かが倒れた。倒れたものは「根性注入棒」と書かれた木刀を持った体育会兵士
達に連れられて、研修室へと運ばれていった。
俺達もかなり意識が薄れて危なかったが、互いに励まし合って何とかその講話を
耐え抜いた。体育会系兵士達は、精神論の講話に心底共鳴しているらしく、興奮して
涙を流していた。