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689 名前:YRP常駐from群馬 ◆a8bV4TV9Jg 投稿日:04/10/22 02:25:35
二等兵達は次第に、朝ホテルから出てくるのが遅くなっていった。
最初の頃は有料ビデオの清算を俺に見られるのが恥ずかしくて、早起きして
清算を済ませてロビーに待機していたものだったが、いつの間にか俺と上等兵
達で起こすようになってきた。これを単に「怠け」という一言で済ませるほど
俺達の目はフシャネイザンではなかった。
顔色がまず気になった。やや土色を帯び始めていて、口調も棒読みになりかけて
いる。危険な兆候だった。魂が空洞化する初期症状だ。このままいくと、上位の
上位会社の平均的な若手社員(若手になぜか多い)と同様に、魂を取り戻せなく
なってしまう。
俺達は、その場で緊急作戦会議を開いた結果、二等兵3人のうち特に症状が顕著な
2名に休暇を与えた。1日横須賀の街で好きなように過ごせ、とだけ命じた。
一人残った二等兵も決して健康体では無かったが、その週一杯は大丈夫そうだった。
彼にも週末は自由を与えるつもりだった。
上等兵達はこの程度は日常茶飯事とばかりに平然としていた。俺と共に修羅場を
くぐってきただけの事はある。
しかし、上位の上位会社では、魂の空洞化した若手社員をそのまま激務に置き続け
ているのだが、大丈夫なんだろうかと少し心配になってきた。自分の部下がそう
なり始めてから気になったというのが正直なところだ。
「二等兵達に笑顔を取り戻す案でも考えるか」俺はつぶやいた。