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625 名前:YRP常駐from群馬 投稿日:04/10/18 23:38:24
生気の無い裏声の棒読み口調に、提督は憤慨している様子だった。
時折、「押忍!質問があります!」とどこかの開発者が叫んで立ちあがると、
その主任SEはビクリとして、今にも気絶してしまいそうだった。体育会系は
ハード開発部隊に多いようだった。
大会議室は空調が壊れているのか、その大人数を収容しているのに非常に
暑苦しかった。何人もがファイルを団扇にして扇いでいた。暑苦しいというより、
酸欠で息苦しいと言った方が正しかった。俺達も少し眩暈がしてきた。精神力では
体育会系兵士に劣っていないつもりだったが、体力では圧倒的な差があった。
上位会社の寝不足SE連中は既に何人かが床にへたれ込み、それでも熱心に仕様書に
メモ書きを続けているので体育会兵士は彼らの姿勢を許した。仕様書を朗読している
主任SEも今にも倒れそうな顔をしている。脂汗をハンカチで拭きながら、必死に朗読を
続けていた。誰かが発言した。
「押忍!すみませんが、窓を空けてもよろしいでしょうか?」
「駄目だ。」とインパール提督。
「この部屋の中には、最重要機密が充満している。外には常に敵兵がいるものと思え。
我々はトップシークレットの機密を扱っているという事を忘れるんじゃない。」
「それならば、せめて廊下のドアだけでも」
「ならん。他部門にノウハウが盗まれる。それも駄目だ。」
「せめて冷房ぐらいは…」「予算削減で停止中だ。ガマンしろ」
尚も彼が請願しようとすると、
「黙れ。貴様はそれでも、やる気あるのかーーーー!!!!」と提督は一喝した。