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623 名前:YRP常駐from群馬 投稿日:04/10/18 23:21:58
48時間耐久レビューが敢行されて12時間あまりが立った。
議長を務めるインパール提督の元に、庶務担当のオネーチャンが電話を取り次いだ。
「あの、TNTイツモの○×様からお電話です」
「お世話になります。XXXXのインパールです。その節はどーも!」
「あ、建て直し中の開発スケジュールの件ですか?はい、大丈夫ですとも。
開発チームを精鋭に一新してサイキョの体制で臨んでおりますので、サイキョの
製品を当初の納期で完成させる手はずを整えてあります。はい。全てが順調です。
何も問題はありません。ノープロブレムです。はい。」
電話が終わった。
「おほん、諸君。聞いての通りだ。この3ヶ月の停滞を気力で取り返すのだ。その決意を
示す為に、今回のレビューを前倒しにして企画したのだ」
「お言葉ですが、提督殿。3ヶ月の停滞は過去形ではなく現在も尚その状況を脱しておりません。
その具体的な対策とスケジュールの見直しも今回のレビューではっきりと、…」
大声の大尉殿が慌ててインパール提督に詰め寄った。
「貴様、何を弱気な事を言っているのだ。やるしかないのだ。我々には前進突撃あるのみだ。
己の玉砕を恐れるな!貴様はそれでも男か!」
「無理です。ここにいる全員は既に大半の者が消耗しております。是非、体制の立て直しを!」
「うるさい。黙れ。今いる部隊で目標へ向かって突撃するのだ。」
「提督!お考え直しください。提督の口から申し上げにくければ、私がTNTイツモの担当者に
交渉を致します。ですから」
インパール提督は指を鳴らした。配下の体育会兵士達が大尉殿を捕まえて退場させた。
「提督!何卒私めの声にお耳を傾けてください」大尉殿はそのまま引きずられて隣の研修室に
消えていった。仕様書の朗読は、再び生気の無いSE(彼も数日寝ていない模様)が引き継いだ。
青ざめた生気の無い顔をした主任SEは、裏声で早口で、そして棒読みの口調で仕様書を読み
始めた。時折、強迫観念に引きつった顔の一部、唇の脇辺りがピクピクと痙攣する。
上位の上位会社の者は、体育会兵士を除いて誰もがそのような顔と口調なのだ。