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584 名前:YRP常駐from群馬 投稿日:04/10/17 01:49:07
レビューの会場には、「レ・ビュー48時間」という垂れ幕が掛かっていた。
会場内には、朝・昼・晩の弁当販売所まで設けられていた。嫌な予感は的中した。
「私が第1回仕様レビューの進行を努める○×本部長だ。」インパール提督が主催するとは
予想外だった。出席者が席につくと、体育系兵士達が出入り口を固めた。
「今回は遅れたスケジュールを迅速に取り戻すべく、土日をかけて仕様レビューを敢行する」
俺達の手元には、全部で広辞苑にも匹敵する厚さの仕様書が配布された。配布する設計者の
手が冷や汗と共に震えていた。この執筆に徹夜をしていたに違いない。仕様書を執筆する連中は
提督の直轄部隊なので、おそらく一晩程度の徹夜ではないはずだった。
今にも気を失いそうな顔をした上位の上位会社のSE(階級は中尉)は、気の遠くなりそうな声で、
ゆっくりと裏声で、単調に、そして棒読みの口調で仕様書を1ページ目から読み始めた。顔色は
土色で、目は深く落ち窪み、引きつった顔に表情は一切見られない。
数十ページも読む内には、その声も途絶え、中尉殿は机に突っ伏してしまった。イビキが異常に
大きいのが少し心配だった。
「おい!」体育会兵士が小突くが動かない。イビキは更に大きくなった。
「おい!」体育会兵士が担ぎ起こしても、目を覚まさず、両腕をだらりと下げている。
「担架を持って来い!」すぐに中尉殿は片付けられた。