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583 名前:YRP常駐from群馬 投稿日:04/10/17 01:33:37
第1回仕様書レビューが行われたのは、ソースコードの修正作業が始まってから
4ヶ月近い時期であった。その間ソースは出来上がらなかったのかというと、その
曖昧な仕様が上位会社の担当から五月雨式に口頭で伝えられてきて、程よく完成に
近づくと狙ったかのように変更の指示が入ってくるのだ。
俺達はその変更内容を予測して柔軟性のあるプログラムを組むように心がけていたが、
俺達は大抵の仕様変更にうろたえるようなレベルではなかったが、
「修正前の記述を必ずコメント行にして残すべし」というルールの前では、次第に
変更への対応が難しくなってきた。
「軍曹殿!自分はこんな糞コードを書かなくてはならない自分が悲しくなってきました。」
「その気持ちは分かる。上位会社に進言してみよう。」
しかし、C言語のソースをろくに読んだ経験も無い上位SEは、プログラムの話になると口実を
作って逃げてしまうのだ。
こうして、糞ソースにまみれて暫定版の完成すら出来ぬまま、仕様書レビューに辿り着いた。
「皮肉にも、これでようやく正常なフローに乗れそうですね」と上等兵Bが言った。彼は要求
仕様に対して、誰よりも高速なアルゴリズムでプログラムを組む事ができた。組み込みの
模範的な兵士だ。組み込み技術に関しては2等兵達にとっても良き手本であった。
レビューの土曜には大会議室が用意され、体育会兵士達の姿に嫌な予感がした。