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578 名前:YRP常駐from群馬 投稿日:04/10/17 01:10:45
「何ですと?前任者のソースを全てコメント行にして復元しろと言うのですか?」
上位会社の担当からの指示に俺達は驚いた。
「そんな事をしたらソースの可読性は跡形も無くなってしまいますよ。」
「ソースの品質を保つ為だ。上が決めた事なんだ。全体のルールなのだ」
明らかにC言語というものに一度も触れた経験の無さそうな若手SEが、理由を
聞かれるのを明らかに嫌がっていた。ソースを持って機能の質問をしに行くと
露骨に顔を背けるのが俺達の上位会社の直接の担当なのだ。
前の酷いソースは行の長さも不揃いで、最長で270文字分にも達した。途中で
区切ってコメント化すると数日の内に上位担当からクレームが入った。
「不具合が出たらいつでも元に戻せるように、元ソースの行は無闇に改行して
もらっては困る」「あれに戻す、…ような事があるんですか?」
俺達の手直しした一般的なCソース(決して美しい方ではないが)は、たちどころ
に元のスパゲッティを大盛りにボリュームアップした記述に変貌した。いや、
その非生産的な作業にプログラミングをはるかに超える工数を要したのだ。
おかげで、俺達の手がけたソースにもかかわらず、可読性は前のものと大して
変わらなくなってしまった。
2等兵達には初めての徹夜を経験させてしまった。それでもまだその頃は若いし
体力も余っていたので、
「自分はまだ大丈夫です。この程度ならホテルに帰ればまだ3発はイケます。」
などと冗談を言っていられた。事実、毎朝フロントで有料ビデオの追加料金を
清算する姿を見た。
しかし、1日4時間睡眠で1週間も経つと、彼らの有料ビデオ清算が無くなった。
昼休みに冗談を言って皆を和ませる冗談も減り、食欲も無くなってきた。全てが
片付くまでに2週間がかかった。