04/12/26 11:55:15
>>885
・文字は本質的に視覚的存在であり、個別具体的な字形を抽象化した概念である。
・文字はある表記系(script)の中における差異によって特定される。
・表記系が異なれば形が同一に見えても別の文字とみなす。
従って、形に基づいて包摂するのは正しい。
しかしその包摂は表記系をまたがることはできない。(例: ロと口は包摂不可)
また、同一表記系の中で区別される形の差異は包摂できない。(例: 土と士は包摂不可)
ここで困難なのは、表記系の中で「同じ文字」とみなされる区別が必ずしも
文字の使用者の間で合意されないケースがあること。例えば「骨」問題。
「とにかく分けちゃえ」という意見もあるが(坂村健)、分離したらしたで、「骨」
のカギの部分を「人」の形に作った書き方をどちらで符号化したら良いかという
問題が生じ、きりがない。
ここまでくると、文字コードという技術的な問題ではなく、言語学的、文献学的
問題になる。西洋近代の言語学は文字を単なる音の移しとしか見なかったため、
文字の研究は遅れている。