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王道とそれを外れたものについて~宮本氏の話
―いわゆる王道から外れた作品についてどう思われますか。
宮本:王道を馬鹿にし、王道を批判し、王道路線から外れることは誰にでも出来ます。
―といいますと?
宮本:王道モノで大きな売上になるものを作る自信がないから、王道からあえて外れた道を選び、
王道批判ともとれる内容のゲームを作る人たちがいますが、そういうの作るのって
実はものすごく簡単なんですよね。同人誌ってあるじゃないですか、
オリジナルじゃない、版権モノっていうんですか?無断で勝手にキャラクター使って
好き勝手やってるやつね。あれに似てるんです。“王道ありき”なんですね。
いわゆる「王道あるあるネタ」を皮肉った内容のイベントを盛り込めば、
王道にイヤ気がさしてる人とかにウケるんです。
―元ネタありき、ってことですか。確かにそうかも知れませんね。
宮本:王道を批判することをやめてくれと言っているわけじゃないんです。
まず王道モノを作れることを見せてくれよ、とこちら側としては思うわけですね。
売れてる作品におんぶにだっこの状態で王道批判されても説得力に欠けると思うんです。
例えばロックという音楽があります。技術が乏しいバンドはライヴとかで
無茶をして目立とうとするんですね。楽器を壊したり、自傷行為をしたり、
時には排泄行為をしたりするバンドもいるそうです。そういったことをしてもね、
やっぱり残らないんですよ。「本物」が作れない人たちだから。
―本物を作り続けている宮本さんが言うとものすごく説得力がありますね。ありがとうございました。
宮本:ありがとうございました。