09/02/25 11:03:09 6ESgHnjc0
精霊の守り人 全26話一気見
とある王国の第二王子・チャグムは 数奇な運命によって父帝から命を狙われることに
不憫に思った妃殿下は 偶然出会った女用心棒・バルサに王子チャグムの命を託す
かくして二人の逃避行が始まる・・・という貴種流離譚
アニメでは「少女と大人の男」というコンビならよくあるが
逆(11歳の少年と30歳の女用心棒)というパターンはかなり珍しいと思った
そのため 萌えなどとはおよそ無縁な話にはなってるけど
それでもキャラクターは充分魅力的に描かれていた
そして何よりも驚いたのは 作画のクォリティ
手抜きはおろか誤魔化しの演出すらもまったく無くて
背景から小道具から人物の動きにいたるまで全てが最高レベル
極彩色で描かれたナユグ(あの世?霊界?)には息を飲んだし
アクションシーンも動くこと動くこと 特にジグロVS王の槍の戦闘は圧巻の一語に尽きる
よくぞテレビアニメでここまでやれたもんだ
これはもう驚嘆に値するよ I.Gってやっぱ凄かったんだな
舞台は 東洋っぽいオリエンタルな架空の国の中世時代なんだけど
件の“画の美しさ”が 世界観に強烈な説得力を持たせていて
民話伝承・土着風俗・死生観や宗教観にいたるまで100%嘘っぱちなのに
不思議と嘘っぽさは無く ごく自然に物語の世界に入り込めた
肝心のストーリーだが やや間延びしがちというか
中盤あたりまでちょっとテンポが悪い
次回への引きも後半にいくまでは弱いので
リアルタイムで毎週見てたら もしかしたら飽きたかもしれない
ただし一気見の場合 それはあまり気にならない程度のものだと思う
少なくとも俺は 一話ごとの単体エピソードも含めて飽きることなく楽しめた
回を追うごとに成長していくチャグムと その姿を見守るバルサ
二人の絆が徐々に深まって“疑似親子”のようになっていく課程が
過剰な演出を排してじっくり描かれている
人によってはこれもアッサリしすぎに見えるかもしれないが俺はむしろ好感を持った
プラネテスに電脳コイル そしてこの精霊の守り人と
やっぱり萌えが無いときのNHKには本気を感じる
忙しい人向けではないかもしれないが
分厚い本を読み切った後のような 何とも言えない達成感を得られた
次はちょっと長いけど十二国記に挑戦する予定