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●【新章】せどりんぐプア Vol.１
せどりんぐプアとは年収が生活保護水準である１６０万以下の
セドラーのことである。
都内、某コーポの一画、コーポ夢見１０５号室。
午前２時１０分に深く溜息を吐く男がいた。
ボサボサの髪型、起きたままの下着姿、死んだ魚のような目、
男の名は吉岡。せどりんぐプアである。
【出品用アカウント】をクリックした吉岡は画面を見ながら溜息をついた。
【過去1日:０】で利益ゼロ、電気代を消費しただけの１日・・・・
自営業をきどっても実体は貧乏な無職・・・・・
「僕は本が好きなんだ」
そう自分で自分に言い訳をして誤魔化していたが、現実が迫ってくる。
家賃も３ヶ月滞納している。このままでは強制的に追い出されてしまう。
最近では２ちゃんねるで馴れ合う気力もなくなってきた。
金がないという現実は拭い去ることができない。
ここ数日何も食べていない。意識が混濁する。
本が積み上がったカビ臭い四畳半の部屋に倒れこんだ。[つづく]