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東京都江戸川区のプレス工場での作業中に右手指３本を失うケガを負った群馬県前橋市の男性が
８,７００万円を超える損害賠償を求めた裁判で、東京地裁（中村也寸志裁判長）は１３日、事故について
「原告には相当の過失があった」として原告の訴えを棄却した。原告側は近く控訴する方針だ。
画像：プレス工場を訴えた中澤明雄さん。右手指の一部が欠損。左手で支えなければ腕も上がらない
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訴えを起こしたのは、中国残留孤児２世で１９９６年に日本国籍を取得した中澤明雄さん（３６）。
中澤さんは２００３年５月、プレス作業の経験を買われて同社に就職した。
判決によると、入社から５ヶ月後の１０月３日午後３時３０分ごろ、中澤さんが休憩を終えて作業を再開したところ、
プレス機に右手指先をはさまれ、親指の一部から薬指までを失い、右腕が動かなくなった。このとき、プレス機の
安全装置は適切な位置に設定されておらず、それを指導監督するはずの作業主任者は外出していた。
中澤さんは救急病院を経て文京区の大学病院に入院した。看護記録によると次のようなことを話していたという。
「眠りたいんだよ。だけど、眠れない。家のこと、妻のこと、子供のこと考えると眠れないね。頭の中で、ずっと考えちゃうんだ。
そして、自分の手は、こんなになってしまったし、自分はじゃまな人間じゃないかって思うんだ。いらない人間じゃないかってね」
江戸川区の労働基準監督署は同年１２月、作業主任者の不在が週２、３日のペースで常態化していたことなどを踏まえ、
同社へ改善措置を命令。２００５年６月、右腕を動かせないまでに症状が悪化していた中澤さんを「後遺障害等級併合第６級」
（労働能力喪失率は６７％）と障害認定した。労災保険から療養費と休業補償費も支払われた。
その後、中澤さんと会社は通訳を交えて今後について話し合った。「今般、貴社を退職するにあたり、貴社に対していかなる債取
（「債権」の誤記とみられる）も存在しない事を確認致します」と記載された「念書」を取り交わし、中澤さんへ７０万円の示談金が
支払われた。この部分が裁判の争点の一つとなった。
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