09/01/28 00:14:40 tj9lPd3m0
>>780続き
やまもと「ふう……」
爆風で乱れた髪を直す。
かえんほうしゃとふぶきの技を持つゼニガメを失ったのは手痛いが、バグでまた手に入れればいいだけだ。
それよりも、犠牲にして得られたあなごみの死という事実のほうが大きい。
やまもとは笑って、よみがえったといえど虫の息程度であろうポケモントレーナー二人をどうすべきか考えた。
タカとルーツがいたのは大誤算ではあったが、まだ手元には他のポケモンがいる。
いっそポケモンの一匹や二匹犠牲にしてでもこの好機を物にすべきか―
のりおという名のポケモンを失ったことで、やまもとの心は完全に吹っ切れてしまった。
その時、ピカァと小さく鳴く声が聞こえてきた。
あなごみのピカチュウか、まだ生きていたとは。
やまもとは一応にとポケットからモンスターボールを取り出し、声のした方へ向かった。
そこにいたのはBHPでかろうじて生きているピカチュウとあなごみだった。ピコンピコンという音がやかましい。
バグで無理やりつけた技だからかだいばくはつの威力が本家より弱かったらしい。
チッと舌打ちをし、今度こそとどめを刺すかと歩み寄る。
あなごみ「イ、エロ……」
そこでやまもとが見たのは、傷付いたピカチュウ、イエロにおいしいみずを与えようとするあなごみの姿だった。
馬鹿か、回復剤があるなら自分の体を治せばいいのに、ポケモンを優先するとか、こいつは本当の馬鹿だ。
やまもとは言い知れぬ感情に顔を歪ませ、ボールを奴らに投げつけようと構えた。
??「やまもと」
背筋にぞっとしたものが走り、やまもとは慌てて振り返った。