08/07/10 11:47:41 9gQfsR8S0
フタコイ オルタナティブ
以前鑑賞した「フタコイ」という作品があまりにベタなストーリー展開と安っぽい演出だらけだったので、
正直なところ同じ名前を冠するこの作品に対して期待は全くしていなかったのだが、いやはやその事前予想は見事に裏切られた。
まるで「ギャルゲー絵で学生映画を作るとこんな感じになるかも?」な雰囲気の作り。
全体の主張としては至極単純。
要するに「愛するものを守ることの素晴らしさ」「責任を負うことの大切さ」を説く超ポジティブなお話。
家族愛、郷土愛、恋愛、なんだっていい。
そこに愛があるなら、それを守るために全力投球で障害を乗り越えるのだ。
社会の常識や法律なんて糞喰らえ。どんな超常現象でも怯んじゃダメ。ただただ前進あるのみ。
そういったことから逃げ回っていた主人公が、成長していく姿を描いたアニメ。ここまでは非常にありがち。
ストーリー全体を通じた主題を理解出来ない奴はまずいないはず・・・そのくらいしつこく愛と責任を叫ぶ。
たぶん凝縮すれば10分くらいで表現可能だと思われるが、それを延々と1クール(260分)使って表現している。
ただしこの作品、その表現・演出がとても奇抜なため、長い時間であっても飽きさせない。本当に楽しい。
毎回毎回、実験的・前衛的な映像表現の数々をこれでもか!これでもか!というほど羅列。
この作品で一番「愛」を叫んでいるのは、主人公でもヒロインでも、商店街の方々でもない・・・
まぎれもなくこのアニメの製作陣なのではないか、と思わせるくらいの作り込みぶり。
いやはや、いい作品を鑑賞させていただきました。
製作スタッフの方たち、この作品を紹介してくれた先輩に感謝。
そして、このような前衛作品が商業ベースに乗れるこの日本アニメの現状に感謝です。