08/07/13 01:47:08 GiWRrO8m0
「僕とへたれちゃんとカレーライス」
その日、僕は大学の講義が終わって、小雨の中、アパートへと家路を急いでいた。
家賃3万円の安アパートのドアの前で、ノブに鍵を差し込もうとしたその時、
部屋の中から何か物音がしていることに気がついた。
だれだろ? そーっとドアを開けると、誰かが台所で料理を作っていた。
呆然と立ち尽くす僕に向かって「あ、おかえり!」とその人は笑顔で振り向いた。
その人は、へたれちゃんだった・・・
なぜ? なぜへたれちゃんが僕のアパートに・・・?
へたれちゃんは、鍋の中をお玉でかき混ぜながら、「学校どうだった?」
と聞いてきた。 「うん、まあ、いつも通りかな」と僕。
「もうすぐ出来るから、座って待ってて。 お腹空いてるんでしょう?」と
へたれちゃんは少しイタズラっぽく笑いながら、大きなお皿にご飯を盛り始めた。
どうやら、へたれちゃんの作っているのはカレーらしい。
おいしそうな匂いが僕の空腹感を心地良く増していく。
「は~い、お待たせ! 今日は特製タイカレーなんですよぬ」
へたれちゃんの手作りタイカレーとサラダが僕の粗末なテーブルの上に並べられた。
その何とも言えない芳醇な香りの向こう側に、へたれちゃんの笑顔があった。
「結構カレーには自信があるんですよぬ。 さ、冷めないうちに早く食べて」
へたれちゃんに促されるままに、僕はカレーを食べた。 おいしかった。
「なぜ、へたれちゃんが僕の部屋に・・・?」
へたれちゃんと一緒にタイカレーを食べている僕にとっては、
そのような疑問は、もう、どうでもよいことのような気がしていた・・・