08/02/01 03:04:12
深夜の高速道路。
快調に走っていると不思議な光景が目に入った。
お爺さんが車の横を走っている。
メーターを見ると時速100キロ。
ありえない。その爺さんは僕の車を追い越して行った。
負けるものか!
僕はアクセルを踏み込んだ。
時速160キロで爺さんを追い越す。
ルームミラーに写る爺さんは…さらに加速していた。
追い抜きざまにお尻ペンペンをしていたように見えた。
ステアリングを握り直し、爺さんを追う。
重低音の排気音が闇夜に吠える。
ブースト圧のメーターが跳ね上がる。
220キロまで加速した頃に爺さんに並んだ。
その時、僕らの横を四つん這いババアがすり抜けていった。
急加速する爺さん。
僕も加速してババアと爺さんを追う。
300kmオーバーのバトルは果てしなく続いた。
夜明けのサービスエリア。
薄れゆく星空の下に僕ら三人の影があった。
熱い缶コーヒーを片手に語り明かした僕らには、昇る朝日が眩しかった。