10/04/30 21:36:12
Microsoftは、Windows 7はVistaの汚名をすすぐだけでなく、企業や消費者の大規模なPC買い換えを促進して、同社の低迷気味の業績を押し上げると
見込んで大きな賭に出た。同OSが2009年10月に発売されて以来、この賭けの大半は成就したようだ。世界的不況を受けて、企業のIT支出はいまだに
活発でないが、MicrosoftはWindows 7のライセンスがおよそ9000万本売れたとしている。
この成功の一部は、全般的にIT機器の買い換えが必要になったことによるものだろう。Windows 7が発売されるまで、世界のPCの大多数は約10年前に
リリースされたWindows XPを使っていた。さらに多くのユーザーのマシンは老境にさしかかっていた。だがWindows 7には、XPアプリケーションとの後方
互換性を高める機能やスムーズなユーザーインタフェースなど、ユーザーを引き込む機能も備えていた。だが、あらゆる大型システムと同様に、問題や
欠点が出てくるのは避けられない。
Windows 7が発売されてから数カ月がたち、Service Pack(SP)1が開発中とうわさされている今、同OSの最初の段階で、IT管理者たちがどのような
問題に遭遇しているのかを振り返る価値はあるはずだ。
問題を複雑にしているのが、Windows XPのサポートが次第に終わりに近づきつつあるということだ。同OSのSP3の延長サポートは2014年4月に終了する。
Windows 7リリースの数日前のプレゼンテーションで、Gartnerのアナリストは、2011年末ごろから独立系ソフトベンダー(ISV)がXPをサポートしなくなり、
2012年末までにはXPアプリケーションに「危険ゾーン」のようなものができると指摘した。
Vistaが古いアプリケーションと互換性がなかったこと、その結果世間からたたかれたことを懸念し、MicrosoftはWindows 7にXP Modeを組み込んだ。
仮想化されたWindows XP SP3環境でアプリケーションを実行する機能だ。この機能はWindows 7 Professional、Ultimate、Enterpriseエディションで
利用でき、Windows 7タスクバーを右クリックして起動できる。
だが一部のIT管理者や企業オーナーは、XP Modeの起動と実行が遅いとしている。
ネットワーク上で動作するデバイスとの通信も、初めは一部のユーザーにとって厄介な問題となった。