10/03/18 20:45:46
3月上旬に独ハノーバーで開催される「CeBIT」では、オープンソースパビリオンが設けられており、大小のオープンソースプロジェクト
が自分たちの技術を紹介している。今回は、ドキュメントフォーマットを中心に欧州政府の動向を紹介したい。
ミュンヘン市では「LiMux Project」として、2005年から市のPCをMicrosoftの「Windows NT4」ベースからフリー/オープンソースベースの
デスクトップへと移行させているところだ。数にして1万4,000台以上、21の機関のPCを移行させるものだ。
中期的目標としてコスト削減を挙げているが、大きな目的はソフトウェアサプライヤに依存しないこと、競争や市場の活性化、
オープンソースによるセキュリティやメンテナンスなどであり、公共の立場からソフトウェア調達がどうあるべきかを考慮した結果といえる。
現在、LiMuxへの移行が完了したPCは約1,000台。OpenOffice.orgを利用しているPCは6,000台で、FirefoxとThunderbirdを利用するPCは
90%以上という。移行が完了するのは早くとも2012年を見込むとのことだ。ミュンヘン市はまた、ドキュメントテンプレートやフォームの
移行ツールを「WollMux」として、GPLの下で公開している。
ミュンヘン市のオープンソース移行は大きなインパクトを与え、各国の政府機関がオープンソースの検討を促すきっかけを与えた。
新しいところではデンマーク政府が2010年1月末、政府のドキュメントフォーマットとしてODF採用を発表している。ODFを採用する政府
はベルギー、フランスなどがあり、これに続くものとなる。2011年4月以降、政府機関で保存するドキュメントにODFを採用することになるが、
議論の結果、Microsoftを完全排除するという当初の案はなくなっている。
一方、Microsoftの利用が多いといわれる英国政府は、ソフトウェア調達に関するポリシーを再度変更している。内閣府CIO評議会は
2009年2月、調達ポリシーをアップデートしオープンソース支持を示した。だがその後、Red HatやAlfrescoなどのベンダがこれを不十分と
したことを受け、2010年1月末に改訂版を発表した。サプライヤに対してオープンソースベースの技術を検討したことを示すよう要求する
項目などが加わっている。
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