08/08/26 05:02:39 9hm0pMjy
(続き)
最大の失敗は謝る相手をまちがえたこと
筆者は、WaiWai事件がこれほどまでにこじれてしまった最大の理由は、毎日新聞による謝罪の「方向」と「スピード」の見誤りだと考えている。
同社の首脳陣が対応さえまちがえなければ、こんな「メガ炎上」にまでは至らなかったはずだ。
一口に「謝罪する」と言っても、毎日新聞ほどの企業規模になると少し意味合いが違ってくる。例えば、記事内容にまちがいがあったので、紙面で読者向けに謝罪する。
これならば方向性はまちがっておらず、だれもが納得できるだろう。
同様に、記事によって名誉を傷つけられたと訴える人がいれば、その人に謝罪するのが自然な流れである。WaiWai事件の場合、ほんとうならば“HENTAI”呼ばわりした日本国民全体、
特に女性に対して真摯(しんし)に謝罪をしなければならなかったはずだ。ところが、毎日新聞は、広告主や既存の読者だけを謝罪の対象と勘違いしてしまった節がある。
責任者の「生のことば」もなく、誠意を疑われるのもしかたがないだろう。
毎日新聞をつぶしてはいけない
このメガ炎上で最も苦しんでいるのは毎日新聞社であることはまちがいない。そして、同時に日本のマスコミ全体が「明日はわが身」と感じていることだろう。
今回の一件によって、「ネットいなごは有象無象の飽きっぽいやから」という評価はほぼ覆された。さらに「ネットの人たちも、わりとまともなことを言うじゃないか」という評価も得られそうだ。
だが、この勢いに乗って毎日新聞をつぶしてしまえ…というのはよくないと思う。“ネット対マスコミ”のような敵対の構図ができてしまい、殺伐とした未来が予想されるからだ。
今回の問題は、毎日新聞という企業の対社会的な姿勢や社内構造、自浄作用といったシステマチックな要因が大きく影響していると言えよう。そもそもインターネットへの無関心な態度が、
WaiWaiのHENTAI記事を野放しにし、「炎上」対策を失敗させたのである。大手マスコミ全体が、インターネットについての理解をさらに深めるべきであろう。
ところで、今回の「メガ炎上」の収束は、謝罪というより、企業として「襟を正す」ことでしか解決しないように思われる。その方法は、毎日新聞社自身が模索しなければ見えてこない。
もちろん、現状維持が解決だとはだれも思っていないはずだ。
(続く)