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真実性の抗弁・相当性の抗弁 [編集]
「名誉毀損罪#真実性の証明による免責」も参照
日本においては、真実性の抗弁・相当性の抗弁が、判例により又は条文上認められている[8]。
真実性の抗弁とは、問題とされている表現行為が、たとえある人の社会的評価を低下させるものであるとしても、
公共の利害に関する事実を摘示するものであって(公共性)、その目的が専ら公益を図ることにある場合に(公益性)、
摘示した事実が真実に合致するならば(真実性)、名誉毀損の成立を認めない、とする考え方である。
1. 摘示した事実が公共の利害に関する事実であること(公共性)
2. その事実を摘示した目的が公益を図ることにあること(公益性)
3. 摘示した事実が真実に合致すること(真実性)
相当性の抗弁とは、問題とされている表現行為が、たとえある人の社会的評価を低下させ、真実にも合致しない場合であっても、
公共の利害に関する事実を摘示するものであって(公共性)、その目的が専ら公益を図ることにあるときに(公益性)、
摘示した事実が真実であると信じるに足りる相当な理由があるならば(相当の理由)、名誉毀損の成立を認めない、とする考え方である。
1. 摘示した事実が公共の利害に関する事実であること(公共性)
2. その事実を摘示した目的が公益を図ることにあること(公益性)
3. 摘示した事実が真実に合致すると信じるに足りることが相当といえるだけの理由があること(相当の理由)
真実性の抗弁・相当性の抗弁は、不法行為についても、名誉毀損罪についても、これを主張立証することによって、
名誉毀損の成立を否定することができる。不法行為上の両抗弁は判例[9]において認められており、犯罪としての名誉毀損については、
刑法が明文上、これらの抗弁を認めている(刑法230条の2第1項)。
これらの抗弁によって名誉毀損の成立が否定されることそれ自体に争いはないが、当該抗弁が認められ、
名誉毀損の成立が否定される意味について、諸説ある。不法行為としての名誉毀損について、判例は、真実性の抗弁が認められる場合には違法性が否定されるために、相当性の抗弁が認められる場合には
故意・過失がないために、不法行為は成立しないとする。