09/10/21 09:50:28 SiOS9e8CO
>>924
木下は突起山の麓にやって来た。
「この山頂に霊力を授かる突起岩があるという。」
登山口を見つけると木下は登り始めた。
「ここ最近で人の出入りした形跡はないな。」
うっそうとした茂みの中を木下は進んだ。
登り始めてもう大方経っただろうか。
「腹が減ったな。」
老夫婦から貰った握り飯は既に食べてしまった。
女の子から貰ったチョコレートを口に含むと木下は再び歩き始めた。
耳を澄ますと滝の音が聞こえてきた。
木下は音の方向へ歩いた。
しぶきをあげて岩々、木々の間を縫うように流れ落ちる滝。
滝壺は鮮やかなコバルトブルーに輝いていた。
「うー、気持ちいいな。」
荷物を下ろすと木下は滝壺の水をすくって顔を洗った。
もう一度すくって口に運んだ。