08/08/11 16:56:19 TndlhVro0
みなもと太郎の漫画「風雲児たち」に次のようなエピソードがある。
黒船来航時、吉田松陰が脳天気に浮かれ騒いでいる庶民たちを見て怒りを覚えた部下を
諫めた時の会話。
「私たちが守ろうとしているのは、あの人々の平和な笑顔です。
私も一瞬も君と同じ気持ちになりました。我々が命がけで苦労しているのに……と。
のうのうと遊ぶあの庶民たちに怒りがこみ上げそうになりました。
しかし、だからと言って、彼らも苦しまなければならんと思うのは、とんでもない誤りです。
傲りです!
私たちが守る庶民の楽しむ姿に怒りを覚えるのは……本末転倒でありますっ!
何のために戦うのか、それを忘れてはなりません……」
「それが……武士なのですね」
「そうです。自らの意志で死地に飛び込むのが武士なのですっ。
我々は『戦ってやるのだ』などという思い上がりを抱いてはなりませんっ」
新風の連中にはまず理解できない理屈だろうな。