08/04/07 20:36:44 jr5eElw40
カーテンから差し込む太陽の光で私は目を覚ます。爽やかな朝。今日は休日。外出するのに丁度いい天気。ベッドから降りてキッチンへ。
朝はトーストと目玉焼きとサラダ。指先ひとつで魔法をかけて、はい、出来上がり。トーストを齧っていたら、頭の中に声が響いた。
おはよう。今日は良い天気だね。デートの約束覚えてる？私は指先をこめかみに当てて、頭の中で答える。もちろん忘れてないよ。
デート、楽しみにしてるからね。今、朝ごはんだから、また後でね。朝食を終えて、鏡の前に立つ。今日は何を着ていこうかしら。
キュート？ カジュアル？ それともセクシー？指先ひとつで魔法をかけて、色々と着替えてみる。
指をくるりとまわして、一人だけのファッションショー。化粧もあわせて、よし、これに決めた。駅前で待ち合わせ。時間ぴったりに彼が来た。
カジュアルな服装。なかなか良いセンスじゃない。さあ、今日は何処に行こうか。何処に行きたい？そうね、たまには外国が良い。
古代遺跡を見てみたいわ。エジプトなんてどう？ 良いわね、そこに行きましょ。行きたい場所へ瞬間移動。
目を開けば、そこにはピラミッドにスフィンクス。昔の人って凄いわね。人の力だけでこんな遺跡を作るなんて。
下からだけじゃなくて、上のほうからも見てみたいわ。じゃあ、空を飛んでみよう。指先ひとつで魔法をかけて、ふわりと身体が宙に浮かぶ。
空から眺めるピラミッドにスフィンクス。やっぱり凄い。作っているところを見てみたいわ。それなら、見てみよう。
目を開けば、ほら、たくさんの人たちが石を積み上げてる。人間の力って本当に偉大ね。それから、私たちは他の遺跡も見て回った。
万里の長城にグランドキャニオン。一日で行く、世界一周旅行。世界中の名所を適当に回って、最後は月へ。
月面に作られたレストランで、地球を眺めながら乾杯。今日は楽しかったね。うん、楽しかった。
そうそう。君に渡したいものがあるんだ。何かしら。はい、これ、僕が物質構成したブレスレット。
ありがとう。素敵だわ。それにしても、良い時代になったものね。科学の力は偉大だわ。まるで本当に魔法みたい。
―充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。
アーサー・Ｃ・クラーク
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