05/01/28 22:09:12 fdw8ItWw
男は蹴りでも入れるかのように足をかちかちと鳴らしながら叫んだ。
「くそ!再起動させなければ!!」
パソコンは相変わらず猛烈に音を立てていたが、再起動した後はおとなしくなった。
ワニの目をした男が口の周りにしわを寄せながらにっと笑みを作った。
「さあ、HSPをダウソしようかな・・・」
マリオはブラウザを立ち上げ、HSPの公式ページを開いた。
アドレスバーには「hURLリンク(www.onionsoft.net)」という文字列が表示され、邪悪な気配を漂わせている。
「フルパッケージのダウンロードだ」
彼はHSPを落とし終えると、そして数年ぶりに使うパソコンに向かって冷ややかな視線を送った。
この男が落としたHSPとはHot Soup Processor(ホットスーププロセッサ)の略で
プラットフォームが持つ機能をより手軽にダイレクトな形で引き出すためのツールとして
1994年から開発が開始され1996年以降フリーウェアとして公開されているプログラミングツールである。
しかしC言語ユーザーである>>1にとって、BASIC言語をベースに開発されたHSPがパソコンに導入されることは耐えられなかった。
「HSPのような糞言語を使う気ならさっさと出て行け」
>>1は思わずマリオに文句を言った。マリオは今までと違って笑わなかった。
そして黄色の目を光らせながら彼は荒々しく応えた。
「このパソコンは>>1一人だけのものではないだろうが。
両親が僕ら兄弟へ平等に譲ったものであることを何故か>>1だけが忘れたようだな。」
かっとなると若い頃の口調がすぐ出て来たマリオを>>1は冷たい目で睨んだ。
「その権利をお前がどのように蹴ったのか忘れたか?
やるせなく死んだルイージが地の底から今日も貴様が来ることを待っていただろう。」
マリオは唇を小刻みに噛みつづけながら応えた。
「そいつを殺したのが何故僕だというんだ?」